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BOM・部品管理から顧客向け補修部品検索への展開|社内マスタを外向きカタログに活かす方法

目次
- BOM(部品表)とは何か
- 製造業の現場でBOM情報が「社内止まり」になっている実態
- BOMをそのまま顧客向けに公開できない3つの理由
- BOMから顧客向け補修部品検索へ展開する4ステップ
- BOMとPIMの違い ─ 商品情報基盤の役割
- ERAVIDASでの活用例 ─ ExcelのBOMマスタをそのまま取り込む
- まとめ
製造業の現場で「BOM(部品表)」は、設計・購買・生産管理に欠かせない社内マスタです。しかし、そのBOMは多くの場合「社内設計の道具」で終わっており、顧客が補修部品を探すための情報源としては活用されていません。装置メーカーやプラントメーカーでは、設置後20〜30年使われ続ける製品も多く、「あの装置のこの部品をもう一度欲しい」という補修部品の問い合わせが日常的に発生します。本記事では、社内に眠っているBOM・部品マスタを、顧客向けの補修部品検索ポータルへ展開するための課題・進め方・PIMの活用法までを解説します。
BOM(部品表)とは何か
BOM(Bill of Materials、部品表)とは、ある製品を構成するすべての部品・材料・数量を階層的にまとめたマスタデータのことです。製造業では、設計・購買・生産管理・原価計算・サービス部門のすべてがBOMを参照しながら業務を進めています。
BOMの代表的な種類
BOMは目的によって複数の種類が運用されます。
- E-BOM(設計BOM):設計者が3D CAD・図面とともに整備する構成情報
- M-BOM(製造BOM):工程順・組立単位に整理された生産用の構成情報
- S-BOM(サービスBOM):補修・メンテナンス用の交換部品リスト
本記事で特に注目するのは、顧客との接点となるS-BOM(サービスBOM)、すなわち補修部品・スペアパーツの情報です。
BOMがあると何ができるか
BOMがあることで、ある製品がどんな部品で構成されているか、どの部品が交換可能か、どの部品が共通部品なのか、といった「製品の構造」を一意に管理できます。これは品質保証・トレーサビリティ・補修対応のすべてに直結します。
製造業の現場でBOM情報が「社内止まり」になっている実態
多くの製造業では、BOMは基幹システム(ERP・PLM)や設計部門のCADシステム、あるいはExcelファイルとして社内に蓄積されています。しかし、そのBOM情報が顧客に届く形になっているケースはまだまだ少ないのが実態です。
顧客は「型番すら分からない」状態で問い合わせてくる
設置から10年20年経った装置の補修部品を、お客様が「装置の型番もよく分からないけれど、この部品が壊れた」と問い合わせてくることは珍しくありません。社内にはBOMがあるはずなのに、現場のサービス担当が手持ちのExcelやPDFカタログを必死に探して回答している、という光景が日常的に見られます。
BOMは図面・型番・部品コード中心で、顧客が読めない
社内BOMは設計者・購買担当者が読める前提で作られているため、部品コードや略号、製図用の記号で記述されています。顧客にそのまま見せても、どれが自分の探している部品なのか判断できません。
結果として「電話・FAX・メールで個別対応」が続く
本来であれば顧客自身が型番から補修部品にたどり着けるはずなのに、社内BOMが外向きになっていないため、サービスセンターや営業が毎回マニュアル対応している。お客様にとっても「すぐに部品を発注したいのに時間がかかる」という不満につながります。
BOMをそのまま顧客向けに公開できない3つの理由
「BOMを公開すれば顧客が自分で補修部品を探せるのでは」と考えても、社内BOMをそのまま外向きに出すことはできません。理由は次の3点です。
理由1. 粒度が細かすぎる(顧客は階層BOM全体を見たくない)
社内BOMには、ネジ1本・ガスケット1枚まで含めた数百〜数千の部品が階層的に登録されています。顧客が知りたいのは「壊れた箇所に該当する、交換可能な単位」だけです。すべての部品をそのまま見せると、お客様はどれを発注すべきか分からなくなります。補修部品として意味のある単位を切り出す必要があります。
理由2. 機密情報・原価情報が含まれている
BOMには仕入先名・原価・取引条件・社内コードなど、顧客に見せてはいけない情報が含まれていることが大半です。そのまま公開すれば、社外秘の取引情報が漏れることになります。顧客に見せる項目と隠す項目を分離する仕組みが必須です。
理由3. UI・データフォーマットが顧客向けになっていない
社内BOMはツリー構造のCSV・Excel・基幹システムの画面で扱われており、検索性も見やすさも顧客向けには設計されていません。型番・装置型式・設置年・部位といった「顧客が探しやすい軸」で絞り込めるWebカタログUIに作り直す必要があります。
BOMから顧客向け補修部品検索へ展開する4ステップ
社内BOMを顧客向け補修部品ポータルへ展開していくには、いきなり全体公開を目指すのではなく、段階を踏んで進めるのが現実的です。
STEP 1. 公開対象部品の切り出し
まず、社内BOMの全部品から「顧客に補修部品として販売・案内する単位」を切り出します。ネジ1本まで個別販売しないなら、それはまとめてアセンブリ単位として整理します。サービス部門と協議し、補修実績の多い部品から優先的に対象化するとスムーズです。
STEP 2. 顧客向け項目への変換
社内コード・原価・仕入先情報を外し、顧客向けの項目(補修部品名称・型番・適合機種・適合年式・推奨交換時期・写真・図面)を整備します。社内BOMをコピーして、顧客向けの列だけを残した「公開用BOM」を別途持つイメージです。
STEP 3. 検索軸の設計
顧客が補修部品にたどり着くための導線を設計します。代表的な検索軸は、装置型式から辿る/設置年式から絞る/部位カテゴリから探す/キーワード検索する/製品画像から探す、などです。誰がどの軸で探すか(保全担当者・購買担当者・エンドユーザー)を想定して導線を作ります。
STEP 4. Webカタログ・ポータルとして公開
整備した公開用BOMをWebカタログ・補修部品ポータルとして公開します。会員制にして取引先のみに見せる、認証なしで広く公開する、特定機種のみ取引先限定にする、といった公開範囲の設計もこの段階で決めます。問い合わせフォームや見積依頼ボタンと連動させ、その場で見積依頼まで完結できるようにすると効果が大きくなります。
BOMとPIMの違い ─ 商品情報基盤の役割
ここまでの説明で見えてくるのは、BOMとは別に「顧客向け商品情報マスタ」が必要だということです。これを担うのがPIM(Product Information Management、商品情報管理)です。
BOMは「製品の構造」を表すマスタ
BOMは「ある製品が何で構成されているか」を社内向けに正確に記述するマスタです。設計・購買・生産・原価計算が共通言語として参照します。
PIMは「顧客に売る/伝えるための商品情報」を表すマスタ
PIMは「顧客に対してどう見せ、どう探させ、どう買わせるか」のための商品情報マスタです。商品名称・スペック・写真・図面・適合・カテゴリ・関連商品といった、顧客接点で必要となる情報を整理して保持します。補修部品の場合でいえば、「どの装置のどの部位に使われるか」「過去どの型番と互換性があるか」「現行の後継部品はどれか」といった情報がPIMの中心になります。
BOMとPIMは連携して使う
BOMを真の構造マスタとして社内で保ちつつ、その中の「顧客に見せる部品」をPIMに展開し、Webカタログ・補修部品ポータルとして公開する──というのが現実的なアーキテクチャです。BOMを直接公開するのではなく、PIMがBOMと顧客の橋渡しをする役割を担います。
ERAVIDASでの活用例 ─ ExcelのBOMマスタをそのまま取り込む
あかがねが提供するERAVIDAS(エラビダス)は、製造業の複雑・大量な商品情報を、社内マスタとしても顧客向け補修部品ポータルとしても活用できるPIM製品です。BOMから顧客向け補修部品検索への展開を、現実的なステップで進められる設計になっています。
既存のExcel BOMマスタをそのまま取り込める
新しいフォーマットを社内で議論し始めると、議論だけで半年が過ぎてしまうのが製造業の現実です。ERAVIDASは、既存のExcelで管理されているBOM・部品マスタをそのまま取り込んで運用を開始できます。詳しくはExcelマスタ運用の特徴とマスタ一括取り込み連携のページをご覧ください。
補修部品検索ポータルとして公開できる
取り込んだ部品マスタは、装置型式・設置年・部位カテゴリ・キーワードといった軸で絞り込めるWeb補修部品検索として公開できます。具体的な実現イメージは補修部品Web検索の用途ページにまとめています。
社内向けと顧客向けを同じデータで運用できる
ERAVIDASは、1つのマスタから社内向け参照画面と顧客向けWebカタログを同時に生成できます。BOMの全項目を社内では参照しつつ、顧客向けには見せたい項目だけを切り出して公開する──という出し分けが、同じデータ基盤の上で実現します。社内ナレッジと顧客発信の二重運用を解消できるのが大きな利点です。
PRODUCT
ERAVIDAS(エラビダス)の詳細をチェック
機能・連携サービス・用途別の活用法・導入事例まで、
ERAVIDASの全体像を製品ページでご確認いただけます。
まとめ
製造業のBOM・部品管理を顧客向け補修部品検索へ展開していくポイントは、以下の通りです。
- BOMは社内設計・購買・生産のための構造マスタであり、そのままでは顧客向けに公開できない(粒度・機密・UIフォーマットの3つの理由)
- 顧客向けに展開するには、公開対象部品の切り出し → 顧客向け項目への変換 → 検索軸の設計 → Webカタログ公開、の4ステップを踏む
- BOMは「製品構造」、PIMは「顧客に売る/伝える商品情報」を担うマスタであり、両者を分けて連携させるのが現実的
- 既存のExcel BOMマスタをそのまま取り込んで、社内向け参照と顧客向け補修部品ポータルを同じデータ基盤で運用できる仕組みが効果的
「社内のBOMを顧客向けに活かしたい」「補修部品のWebカタログを作りたい」「ExcelマスタからそのままWeb公開できる仕組みを探している」という方は、ぜひERAVIDASの資料をダウンロードしてご検討ください。無料相談では、貴社の状況に合わせた段階的な進め方をご提案します。

